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2024年02月07日
一摂大乗論一
自他平和
A peace of onself and others.
一村上春樹一
希望があるところには必ず試練があるものだから。
少しずつ向上する。少しずつだけれど、それでも向上は向上だ。
流れというものが出てくるのを待つのは辛いもんだ。しかし待たねばならんときには、待たねばならん。
💕豊かな言葉は一生の財産 俵万智さん 絵本訳す一
2021年の毎日小学生新聞より
歌人の俵万智さんが英語から日本語に訳した絵本が4日、出版されました。ピアノが大好きなクマの物語「クマとこぐまのコンサート」(ポプラ社)です。宮崎市に住んでいる俵さんに、言葉の魅力や日本語に訳す時に工夫したことについてオンラインで聞きました。
心をつなぐ道具
俵さんは言葉の魅力を、人間だけが持つ、人と人との心をつなぐすてきな道具だと言います。「言葉がなくてもペットとは通じ合えますが、言葉が加わることで豊かなコミュニケーションができます」と語ります。
その中でも俵さんがつくる短歌は、五七五七七と短いので、言葉を選ぶ練習ができます。「日常の中でもどの言葉が自分にぴったりか、相手はどのような気持ちか、あの言葉ではなくこの言葉を選んだということが、とても大事です」
💕言葉選びの責任
俵さんはこれまでも、外国の絵本を訳し日本に紹介してきました。今回の作品で俵さんが心がけたのは「言葉が耳から入って心地よく、リズムがあるように」です。「一節を覚えてもらえるように、心地よい日本語にするようにしました。子どもは同じ本を繰り返し読むので、責任重大です」
訳をする人は透明人間になってもいいと、俵さんは言います。「原作がすてきなら、私の役目は、絵本の世界観を伝えるために本を手渡すことです。訳をする人が間にいると感じさせないことです」
作品の最後のページには「心のおみやげ」という言葉が出てきます。
英語の原文には直接、そのような表現はありません。でも、「忘れないということ、ここでなにか得たものを持って帰る」という日本語のすてきな感じを出したくて、俵さんはこの言葉を入れたそうです。
俵さんから小学生の皆さんにメッセージです。
「本を読む時間をつくってください。豊かな言葉、言葉の力は一生の財産にもなります。本を読むことで、外国にも昔にも行けて、いろいろな人にも出会えます」【野本みどり】
シリーズ第1作「クマと森のピアノ」は、イギリスの作家、デイビッド・リッチフィールドさんのデビュー作です。日本では2017年に出版され、続編の「イヌと友だちのバイオリン」とともに、俵さんが訳を担当しました。第3作となる最新刊では、ピアノが大好きなクマのブラウンは、街で大スターとなりますが、引退してふるさとの森へ帰り、こぐまのパパになります。
俵万智さんプロフィル
1962年、大阪府生まれ。早稲田大学在学中に短歌を始める。88年、第一歌集「サラダ記念日」で現代歌人協会賞受賞。絵本の翻訳作品はほかに「ドリー、泳ぎつづけてごらん」「ずっといっしょ」など。