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コラム

「学ぶ力」をひき出す方法!!と学習法

※私立中高ガイダンス 4月12日(日)に一社校にて講演された内容です。

楢の木のメッセージ

私たちは向こうから、向こうというのは、お父様、お母様からみると例えば70代の人とか80代の人、皆様のおじいちゃま、おばあちゃま、それから、生徒さんからみるとお父さん、お母さん。そういった向こうから見た時、「今、あなた達はこういう時期にあるのだよ。」と、きっちり言えるのですが、自分達から見ると言えない事や気づかない事がいっぱいあります。だから、今日はそれを少し気づいて、そして自分のベストを尽くしてください。1時間弱ですが、このガイダンスでお話をします。ですから、皆さんがピュアな気持ちで、純粋な気持ちで受け取って、そして行動に出して継続していっていただくといいなぁという思いでここに立っています。
私共の家には、うちの家を守ってくれている大きな木があります。樹齢2、3百年の大きな楢(なら)の木なのですが、その木は今、バァーっと新芽が出てきて、そのあといっぱいどんぐりがなって、家の樋にもどんどん落ちてくる木なのです。私は、元気がなくなると、木を見上げます。そして、『この木は歴史を刻んできていて、私達が知らない事をずっと知っているんだなぁ』って思いました。やはり向こう側、先輩ですね。木も、2、3百年経った先輩から私達を見ると『未熟だよ』って。『もっと頑張ってごらんなさい』とか、「こうしたらいかが?」とかっていうメッセージが、木から凄くくるのです。スペインの建築家ガウディーは、『自分は木から学ぶ。木が先生である。木から僕は学んでいる。』という事を書いておられます。皆さんが学ぶべき人がどんな人で、学ぶ場所がどんなところで、学ぶ視線がどこに注がれているかという事を、少し視野を広げて見て頂くと嬉しいかなと思います。

いろんな年代の友達

日本人の特徴、私を含めた日本人の特徴として、『思い込み』というのが、どうも他の国の人達よりも強いそうです。「生きている人は、ずっと生きているのではないか。」と錯角するとかです。私達人間は生物ですから、いつ命を落とすかどうかというのはわからないわけですが、それを前提に考えていくと、いろんな事がわかってきます。
昔、「いろんな年代の友達を持ちなさい。」という事を聞いた事があります。皆さんは今10代ですが、例えば、2桁になっていない子供達、弟さん、妹さんを含めた友人。20代、30代、50代、70代、80代とかです。そうすると、その世代の人達が考えているいろいろな事が、自分の中に情報として入ってくる。同じ年代だけを友人にしない事ですよ。わからなかったら経験のある人に聞けばいいのです。これをもっと広げるとどうなるかというと、人間だけじゃなくて、いろんな植物や動物からでも学んでいけるのです。
ファーブルは、昆虫からいろんな事を学んでいった。建築家のガウディーは、木からいろんな事を学んでいった。同じ桜の木でも、わぁーこの木の形、バランスはきれいだなって、見惚れるような桜の木ってあるでしょう。その桜の木に、いつも声かけて話しかけてみるのです。向こうが何を言っているかは、ほとんどの人がわからないと思いますけども、世の中にはそれがわかる人もいます。最初から否定しない事。「わかる。」って言う人に会って、いろいろ話を聞くと、いろいろ教えてくれる。世の中にはね、人間じゃなくて他の自然の物を友人に持っている人っていうのがたくさんいるのですよ。そして、同じ国じゃなくて、いろんな国のお友達、これもずっと広げていかれるといい。なぜかと言うと、1人で経験できることには限界があります。ですから、自分にとって強いネットワークになるように、いろいろな人を友人に持っていくのです。その為にもいろんな大学とか高校を選んでいって下さい。尊敬できる友人としっかり交流を持ってください。いろんなことを学んでいくこの時期に、友人として過ごした人というのは一生の友達になっていきますから。その関係を上手く生かしていかれるといいと思います。

頭にも乳酸が溜まる

最近よく早起きの話しをガイダンス等でしていますが、ある大学の附属中学校で睡眠時間と学力の調査を致しました。すると、6時間寝ている人も7時間半寝ている人も9時間寝ている人も、10時間半寝ている人と学力が変わらない。唯一何が変わったのかと申しますと、『どれだけ朝早く起きているか』だそうです。早起きしている人ほど学力が高いということがわかったのです。これはどういう現象かというと、私達が1日過ごすと筋肉や体全体に疲労感を覚え、それが睡眠を促し疲れを癒します。同様に、頭をたくさん使ってくると、頭にも乳酸が溜まります。乳酸は筋肉にも溜まります。そうすると、思い通りに頭も筋肉も働いてくれないんです。そして、一晩眠るとその乳酸が分解されて、正常な状態、元気な状態に戻るのが朝です。だから、そういった状態で学習をするのと、乳酸が溜まった頭でお勉強をするのでは、全然学習効果が違うということです。
これからお話するのは私の体験談です。私は通常、日経新聞の夕刊をかなり丁寧に読みます。いろいろな面白い記事、興味のある記事がたくさんありますから。ところがある晩、「今日は大した記事はないな。珍しいことだけれど、まあしかたがないな。」と思って、ちょっと横に置いたのです。そして翌朝4時半ぐらいに起きて、他の新聞と一緒にその新聞もまた読んでみたのです。そしたら、良い記事がたくさんありました。「はぁー、そうか!夜勉強をするのと朝勉強をするのはこういう違いだな。」ということを自分で納得しました。実は、今まではそれほど感じなかったのです。夜は夜でちゃんと頭回っていると思ってやっていたにもかかわらず、朝起きたら、数倍頭が回るということです。だから、朝の時間を大切にしない人は、人生でたくさん損していくと思います。お父さん方、お母さん方も含めて一家で早寝早起きして下さい。

論理力・数字の感覚

JR東海の葛西会長。彼が何年か前にある雑誌に書いておりました。社員を採用する時の基準に、まず、心と体が健康な人。そして、もう1つあるのです。『論理力』がある人だそうです。話している事が最初から最後まで首尾一貫した、芯が通った発言ができているかどうか、行動が伴っているかどうか。時々、「A」って言っていたのに、途中から「B」って言う人がいます。これは大変です。どちらがその人の本質かわからないですから。時々そういう文章に出会ったら、もう気持ち悪くて読めません。ですので、そういう力「論理力」がある人じゃないと採用しないそうです。

遺伝子は進化しているのに…

ほんのわずかな10の何10乗分の1ぐらいだと思うのですけども、お父様、お母様よりも皆さんの遺伝子が優れているのです。にもかかわらず子供たちの学力はどうかというと、残念ながら、いろいろな環境や条件によって落ちていっています。だから皆さんの次の世代、次の世代、次の世代、と先を考えたとき、今、皆さんが努力しないと、この地球の歴史から考えた場合に不自然な事をやっているという事になります。
そこで大切なのが、勉強をどれだけ意欲的にできるか。「お父さんがいるから、お母さんがいるから勉強する。」という中高生は必要ありません。自分の意志でやらなくては。もう皆さんは13歳を迎えるわけです。生物としての人間の発達からいくと、10歳からは大人の仲間入りをしていきます。お父さん、お母さん方は、それに見合うような接し方をして下さい。意欲的にしかもコツコツコツコツ続けられるかどうか。これでもって学ぶ力っていうのが育っていくと思って下さい。英語の力も。英語の読み書きができないと、取れる情報が限られてしまい、とても損をします。また、数字の感覚。計算力と違いますよ。数感覚、イメージ。こういうのを踏まえて、しっかりした学ぶ力を伸ばして頂きたいと思います。

素のままで生きるために

教授とか医者とか、何かこう私達が背中に背負っているものというのは、それはその人の価値ではなく、役割なのです。だから、それを外した時、素のままの人間としてどう生きて行くか、ということを非常に感じます。アメリカにいる友人や仕事仲間の弁護士である方達のお話を聞くと、例えばアメリカの場合、「弁護士」というものは、こう、『弁護士という服を着ていますが、肩書きで生きていない。』っていうことなのです。日本人は、結構肩書きで生きています。その肩書きを失ってしまうと何者でもない人。やはりそれはまずいかなぁという事を感じます。この世代間、国を越えてお友達を作るというのは、ものすごく大事なことです。目の前におられる先生方にも、興味持ってください。それから、お父さん、お母さんにはちょっと反発する時期かもしれないけど、ちょっと斜めから見て、「こういう人生を生きているのだな。」とか。そのぐらいの感じで見ていかれると、今の勉強がどう役立っていくか、というのがわかるんじゃないかなぁって思います。
こういう場で、「勉強しなさい、勉強しなさい。」っていうのは、本当に僭越だと思います。自分で気づいてしっかりできている子もいますから。で、自分で気づいてやっている子ほど、またやってくれるものです。気づかない子はまだやりません。時代というのは、どんどん進みます。中間にいる私たちが、これからいろいろな世界に旅立つ前の皆さんに必ず伝えたいことは、『自分ってたいしたものなのだよ』ということ。そして、『逃げるな』という事です。今の皆さんの時期は、『勉強』そして『何にでも興味を持って貪欲に吸収する』という時期です。お父さんやお母さんに「勉強したらどうだ。」と言われてしまうような、情けない人間には、ジェイ・サチはさせたくないなと思っています。