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コラム

『笑いと涙の夏半分』@

※保護者会 8月10日(日) 一社校にて講演された内容です。

お暑い中、ようこそお集まり頂きまして、ありがとうございます。
この頃ですね、保護者会で生演奏を聴いて頂くっていうのが恒例になっております。
今日は、コントラバスとビオラです。ビゼーの『アルルの女』からメヌエットと、バッハから『G線上のアリア』を弾きます。とても良い曲だと思いますので、どうぞお楽しみ下さい。(演奏中)

いろんな事を思い出しました

いかがでしたでしょうか。いろんな生徒の事を思い出しました。31年目の夏を迎えたジェイ・サチなのですけれども、まあピアノとかそれからバイオリンとか、本当にあの、それぞれ、例えば、菊里高校とか明和でとかいろいろ進んで行った子供達がいます。
その子は中学校2年生の時に来ました。女の子です。ずっとバレエですね。バレリーナのバレエをやっていまして、そういう「五感を養える、同時に養える明和に進みたい。」っていう事で、その子が内申点はグッと低かったのですが、最終的に37になり、そして、オール5に中3でなって、明和に進んで行きました。そして、その子は、東京芸大に進むわけですが、この時はロシア語に行って、向こうでバレエをやるから。昨日のオリンピック等々見ていても、彼女の事が思い出されます。
ある子は東海高校に進み、これは東海中高の子なのですが、ちょっと自閉症ぎみで、人に会うのが嫌になって、そして私達のところに、お母さんとお父さんが電話してきました。「駐車場からも出られないかもしれないから。」彼にとっても勉強になるかもしれないからという事で、駐車場までお迎えに行きましたけど、「NO!人に会うのは嫌だ!」って。で、一歩、一歩、一歩、一歩、1時間かけて、ここまで連れてきました。で、「人は見たくない。」「じゃあ、なんで東海嫌なの?」って。あの、「とにかく、単語を覚えるっていうのは、僕は嫌。『何か覚えなさい』っていうのは僕嫌なのです。」って。それで、東海を辞めてきました。で、その子が、なんと高校2年生の時には、習いもしない東大の過去問が解けるようになり、英語はちょっと出来るようになってきたのです。彼、今、どうしているのかなーとか。今、曲を聴きながら、G線上のアリアも非常に想い出深い曲ですので、いろんな事を思い出しました。

大学でさえそうだ

去年とは違った夏、いろんな生徒に会っています。この、高校1年生のA君の話をします。1つ難点があるのです。この難点が、私達にとっては厳しいのです。寝てしまうのです。12時間お預かりしていて、寝てしまうのです。もう爆睡してしまうの、本当に。で、あの、学習院大学の教授も言われましたけど、この頃、先生悪いなぁーという事でうとうとしている生徒は、ほとんどいなくて、爆睡している生徒がいるのだと。「起きろ!」と言っても起きない。大学でさえそうだっていう事を読みまして、うーん、きっとゲームにちがいない。ゲームにはまっているのだ。固定概念でお話しさして頂きました。最初、森先生が担当された。そして、森先生の方は「とにかく眠ってしまったら、起こして、100枡計算をその都度させて下さい。そして、前頭前野を活性化させて次に進む。」っていう指示をなさいました。で、その後、パッと見ていると、まだ寝るのですね。やってもまた寝る。で、あの、カルテも『すぐ寝てしまうのです』って、先生達もお困りなのです。それで、じゃあ次の課題。名古屋駅の生徒ですから、8階に教室があります。7階の方が飲食街になっている。飲食街歩かせたら、目が覚めるかもしれない。これ、私の発想で。で、「散歩しておいで。」って、「先生、付いて行っていいよ。」って。1人で行くと、入っちゃうといけないので。それで、「先生、付いて行ってね、必ず。」そしたら、先生が、「この席離れると、生徒達に迷惑がかかりますが。」「いい、隣の先生に言って行きなさい。『5分間で戻って参ります。』と言って散歩しなさい。」って。「散歩してもダメなのですよ。」

本読んでいる時が、1番幸せ

『何かなぁー』って。「ゲーム、やってないよねー。」って。「やっているでしょう!」って言うと悪いものですから、「ゲーム、やってないよねー。」「やっていません。」「そう。携帯は?」「携帯は失くしました。」「持っていない?」「持ってない。」「うん。コンピューターは?」「やってない。」「本当。」その時に、さち子先生、いろんな経験から、ピャーと、パァーっと、コンピューターが働きまして、私の頭の中に、「そうか」。前、一社に、ある愛知高校の生徒で、なかなか上手くいかない子が、私が面談して、少しきっかけを作った子がいました。その子の顔がビヤァーンと出てきたのです。『あっ、この話しなのだ!』って。で、その子は何かって言うと、もう10年ぐらい前の話しです。「何やっている時楽しい?」って言ったら、「僕は、本読む時が好きです。」って。「本読んでいる時が、1番幸せです。」「そう。何の本読んでいるの?」「津本さんの本です。津本陽です。」「あっ、そう。津本陽。私読んでないなぁ。司馬遼太郎なら一緒に言えるけど。」「いや、僕、司馬遼太郎は嫌いです。」「あっ、そう。それ、どこがいいの?」って言ったら、「いやぁー、もう本当にすべていいです。」。家に帰って、本屋さんに行って、1冊買いましたけど、どうしても私には入っていけないとこがあって、なかなか難解なのですね、私にとっては。彼は「あれが好きだ。」って言うのです。「全部読みました。」って。だから、「司馬遼太郎読んで、私全部読んだから。」「いや、僕、司馬遼太郎は受け付けません。」「あっ、そう。」
そこからずーっと津本さんに合わせてずっと話ししていくと、「歴史家になりたい。」っていうところで、そちらの方に進んで行って、勉強が、もうこう希望通りに進んで行った生徒さんの事がパァーっと出てきたので、A君にも「何やっている時が楽しい?」てったら、「本読むのが好きなのです。」っていうの。『はぁー。本で昼夜逆転しているな』と思ったのです。

子供達ってやっぱり側面だけから見てはダメ

「どのぐらい読むの?」って聞いたのです。「いや、先生、半端じゃありません。」図書館で、1冊、1日、10冊借りられる。1日、10冊。「10冊必ず借りて、次の日返しに行きます。」凄いでしょう、凄いでしょう。それで、その紐が切れそうなぐらいの重いの、分厚いなぁーと思ったのですね。「そう。じゃあ、全部本屋さん、図書館に行って、全部読もうと思っているの?」って。ここの生徒で、東海中高に進んだB君っていう子が「なぜ、東海が好きか?」っていう時に「僕は、あの東海高校の図書館の本を全部読みたい。」で、今、オーケストラ部に入り、ピアノのレッスンも、もう本当に毎週受け、そして今、中3で、高1になりましたが、中3で、ここ、飛び級有りの塾ですから、高校3年生まで全部数学が終って、インターネットから問題取り寄せて、ここで解いていて、数学オリンピックにもチャレンジしている生徒なのですが、その子の目標は、東海高校の、あの本を全部読みたい。これも浮かんできて、「そうなの?」ったら、「はい、それもそうですけど、本屋さんで買うっていうのは、なかなかお金がかかるので、少ししか買えません。で、古本屋にもお父さんと行きます。だけど、この間、古本屋に行ったらお父さんの方が飽きてしまって、僕帰るよ。」。11時ぐらいまで帰ってこないそうです、ずーっと。「携帯って、その本の中に埋まったの?」って言ったら「そうです。どこにいったかわかりません。」つまり、お母さんが夕方電話しても出てこないらしいのです。本夢中になっているから、どっかに入り込んだらしいのですね。未だに携帯が出てこない。それで、その子が東大文T。私達は、『一側面からこの子を見ていたのではないか』という事で、反省しました。すぐ、森先生といろんな話をして、森先生が、名古屋駅のその子、先生に指示しました。「東大のまず過去問を解かして下さい。」このぐらい本読んでいるのだから。それも、数学じゃなくて国語を解かして下さい。それから、センターテストを解かして下さい。」見事に半分以上は取れているのですね。あの、子供達ってやっぱり側面だけから見ると、ダメだよっていう事になる子達がいるかもしれないけど、多面体でちょっと俯瞰的な立場からズーッと見てみると、凄いものを持っている子供達が、今、たくさんいます。で、その中で、本当はどうなのかっていうのを見て、諦めさせない。そして、希望を持って育てていかなきゃいけないなぁーって、この夏、特に思います。
・・・>次回へ続く